京都癒しの旅案内人 下戸眞由美(おりとまゆみ)です。
「癒しの旅ってどんな旅ですか?」とよく聞かれますが、先日、ご案内した先日のマンツーマン西陣お任せの旅がまさにそういう時間になりました。
お客様とどっぷり浸っていましたので、写真は少ないのですが、お読みいただけたら嬉しいです。
東京からお越しくださったお客様、この日、3度目のリクエストでご一緒させていただきました。
お昼に待ち合わせして、お漬物のランチをいただきながら、お互いの近況報告をします。
お昼に待ち合わせして、お漬物のランチをいただきながら、お互いの近況報告をします。
お漬物がお好きで、家ではなかなかたくさんの種類を楽しめないのでと喜んでくださいました。
次に向かったのは石像寺(しゃくぞうじ)さん。地元では釘抜きさんの愛称で親しまれています。
大きな釘抜があり、本堂には釘抜き地蔵様が。
苦を抜く→苦抜き→釘抜きとなった説もあり、苦労を釘抜きで抜いてくれると。
幼き頃、近所のおばあさんが、
「今朝、釘抜きさんに参ってきたんやわ」とよく祖母に話してられたのを覚えています。
お堂の周りにはお礼に奉納された釘と釘抜きがいっぱい掛けられています。
お百度詣りのように数え年の数を参るように、竹のさしのようなものが箱に置かれています。
私たちは普通にお参りして、後ろの仏様や、弘法大師ゆかりの井戸などに手を合わせ、お客様が御朱印をお願いされた時のこと。
お寺の方 「お参りの仕方、ご存じですか?」
お客様 「は、はい」
お寺の方 「何年生まれ?そしたら、数え年で○○なので、その回数お参りしてきてください。御朱印を用意しておきます」
お客様とわたし、一瞬、迷った表情をしてしまいましたが、
わたし 「一緒にお参りさせてください」
ということで、ふたりで数え年の50数回、お堂の周りを回り、お参りしました。
一回につき、手を合わせるのが三ヶ所、撫でるところが二ヶ所あるので、いらんことを考えている暇もなく、無言でお参りしました。
終えた時の清々しさは今までに感じたことのないものでした。
何かにすがるわけではないですが、言われたことを素直に聞いてみる、無心で手を合わせる、見えるのは周りの花や空の色。
はじめは正直なところ、しんどそう、時間が掛かりそうと思いましたが、お参りできて良かったです。
釘抜きさんの意味が少しわかったような気がします。
辛い時、何かに集中してみること、少し時間を置いてみることで、心が解けることがあるんだと実感しました。
もともと、御朱印とは写経をした証としていただけるもの。
こちらではきちんとお参りしていただけるようになっていました。
スタンプラリーではないのです。
とても良い経験でした。
この日は爽やかな日でしたので、汗もかかずにお参りできたと喜んでいましたが、次に訪れた和ろうそく屋さんに入るなり、ふたりとも汗が吹き出してきました。
「面白いものですね。少し時間を経て汗がでる。何事もこうして時間差で結果が出ると教えられたみたいですね」とまた共感。
次に訪れたのは妙蓮寺さん。
私たちの前に男性の方がおひとりいらしていて、その方、お客様、わたしの3人にお寺の方がゆっくりご案内くださいました。
たぶん、2時間ぐらいいました。
「少し日が落ちて来たので、ぜひ、写真を撮ってください」と。
ガイドブックやパンフレットには書かれていないことを話すようにとご住職に言われているとおっしゃり、ご自身の言葉で色々なお話をしてくださり、会話のキャッチボールも沁みるものでした。
玄関先に咲いている酔芙蓉。蕾は白、花開くと徐々にピンクに、夕方には紅色になる一日花。
まさにお酒に酔うように。
こちらまで見送ってくださり、種を採り、お客様に手渡してくださいました。
「ご自宅でも花を咲かせてください」と。
温かい空気が流れました。
途中でお寺の方が何度か
「時間、大丈夫ですか?」と尋ねてくださり、「大丈夫です」と答えると
「いい旅ですね。ガイドさんに急かされて、巻いてくださいと言われることもあるけれど、良い方の案内で良かったですね」とお客様にお声掛けくださり、
お客様が頷かれます。
案内人冥利につきます。
そうそう、お客様から唯一行ってみたいと言われていた蜂蜜屋さん。
日が陰り始めた路地(ろーじ)、蜂蜜の色がくっきり。
最後に静かなホテルで小川治兵衛作のお庭を眺めながら、お茶しました。
ありがとうございました。
京都癒しの旅はゆっくり、のんびり、お客様の心地良い時間を過ごしていただきたいと思ってご案内しています。
京都の友人といるような感じです。
名札も付けていませんし、案内人も一緒に買い物したりもします。
こんな旅に共感いただける方、ご一緒しませんか?
プライベートの旅はいつでも受け付けしています。